「学校の勉強なんて役に立たない」と言われたときの回答を塾講師が本気で考察してみた

保護者向け
この記事は約11分で読めます。




zaki
zaki

こんにちは!

学相BLOGのzakiです!

読者の方
読者の方
子どもに「学校の勉強なんて将来何の役に立つの?」と言われてしまい、上手く言葉を返せませんでした。
こういう場合子どもに何て言ったらいいんでしょう?
こうした悩みを解決する記事になります。
「学校の勉強なんて将来何の役に立つの?」
このセリフ、ご自身が子どもの頃も思っていませんでしたか?
おそらく思っていたはずです。
zaki
zaki

そして僕も思っていました(笑)

今回はこの代々受け継がれている
「学校の勉強が将来に役立たない」と子どもが言う理由と、
塾講師の視点から
  • 塾講師が考える学校の勉強の必要性
  • 本当に学校の勉強は役に立たないのか
をご紹介します。
この記事を読めば、
子どもに「勉強する本当の意味」を伝えられるようになります。

【こういった方におススメ】

  • 勉強することの大切さをお子さんに知ってほしい方
  • 意欲的に勉強に取り組んでほしいと思っている方
  • 学校の成績だけが勉強において大切と考える方



「学校の勉強が将来に役立たない」と子どもが言う理由

なぜ子どもが「学校の勉強=役に立たない」という等式を立ててしまうのか考えたことはありますか?

長年教育に携わってきた僕が考察した結果、3つの理由が浮かび上がってきました。

 

それは

  • シンプルに役に立つとは思えないから
  • 自分の進路と無関係ない科目まで学ぶ必要はないと感じるから
  • 親の言動から判断したから

です。

1つずつ見ていきましょう。

 

シンプルに役に立つとは思えないから

特に数学が苦手な子によくみられます。

「面積」「速さ」「方程式」「2次関数」など、将来のどのタイミングでこんな内容を使うのか分からない、使うとしたら受験の時だけだと考える子がものすごく多いです。

 

zaki
zaki

僕も勉強が苦手な頃に「円の面積なんて分からなくても生きていける」というように考えていました。(笑)

 

中学生になると、難易度が上がるだけでなく、将来で不必要そうに感じる内容ばかり学習しますよね。

学習する意味を見出しにくいから、中学で勉強につまずく子が続出するのです。

そしてつまずくから、勉強がつまらなくなり、役に立たないと理由をつけて勉強から逃げてしまうのです。

 

自分の進路と無関係な科目まで学ぶ必要はないと感じるから

既に自分の希望の進路が決まっている子に多いです。

 

例えば、将来エンジニア関係の仕事に就きたいと考えている場合、仕事に直結する理系科目は頑張れるけれど、文系科目への学習意欲が湧かないといったケースですね。

 

仕事に直結しない科目を学習する意味を見出しにくいから、特定の科目に対する勉強は役に立たないと感じるのでしょう。

 

zaki
zaki

僕の場合、ずっと日本で生活するから英語なんて勉強しなくても困らない!と思っていました。(笑)

英語を勉強する理由が当時は分からなかったんです。

 

だから自分が不要と感じる科目においては必然的にやる気や成績に直結し、つまずいてしまうのです。

 

親の言動から判断したから

子どもは大人の、特に親の言動をよく見て育ちます。

自分が想像するよりも子どもは大人の行動を見て成長していくのです。

 

ゆえに気を付けていただきたいのが、

学校の勉強を忘れたことを子どもの前で簡単に言わないこと

です。

 

例えば、子どもとテストについて話す時、

お父さん
お父さん

お、懐かしいなー今2次関数やってんのか!

お父さんもやったよー、さすがにもう忘れちゃったかなー。

頑張るんだぞ!

というような場面があったとしましょう。

 

ここでは、

「さすがにもう忘れちゃった」という一言

が不適切であると僕は考えます。

 

なぜなら、

学校の勉強を忘れても就職でき生活していける、と考えてしまう子もいるからです。

そうすると人生を惰性で過ごす可能性が生じ、努力できるはずの子が頑張る目的を見失うリスクが生じます。

 

特にお父さんが好きな子、お父さんを尊敬する子は純粋な子が多いので、

お父さんのちょっとした言動でも影響を受けます。

 

zaki
zaki

お母さんの場合でも同じです!

女の子の場合、「勉強できなくても就職できる」というよりも「結婚できる」ということを意識し考えるケースがみられます。

 

ですので安易な発言には注意が必要です。


塾講師が考える学校の勉強の必要性

僕が考える勉強の必要性は以下の4つです。

  • 勉強する習慣を構築するため
  • 自信をつけるため
  • 卒業後の進路の選択肢を広げるため
  • AIに代替されないための論理的思考を養うため
1つずつ見ていきましょう。

勉強する習慣を構築するため

社会人になっても勉強は必ずします。受験を終えて卒業して社会に出たら勉強とさよならはできません。一生つきまといます。

だからこそ学生時に勉強の習慣を身に付けておくと社会に出ても苦労を感じるのが最小限で済みます。

 

「勉強内容」がそのまま役に立つのではなく、勉強する行為を継続する力が身に付き、「勉強する習慣」が将来の役に立つのです。

 

自信をつけるため

多くの子は自分に自信がありません。

なぜなら、その子自身の成功体験がないからです。

 

自信がないまま成長すると、今後日本で必要となる人物像にある「積極性」を欠く大人になる恐れがあり、将来の不安を煽るリスクが生じます。

(積極性に関しては後述します)

 

成功体験を多く経験するほど人は自信がついていきます。

 

初めは小さな成功体験を積ませて徐々に目標を大きくしていくことが大切です。

 

なぜなら、いきなり高い目標を掲げても成功までに時間がかかり、途中で挫折してしまい、より自信を失ってしまうことがあるからです。

 

勉強面でいえば、

「学習机に向かって座る」くらいの低いハードルから少しずつ成功体験をさせ、

  • 毎日10分→30分→1時間…の勉強
  • テストでクラスの平均点を取る
  • テストで平均点+5点取る

など、少しずつ目標もステップアップしていくことが望ましいです。

 

こうした経験の積み重ねが最終的に大きな自信へと繋がるのです。

 

「勉強内容」がそのまま役に立つのではなく、勉強の過程で達成した目標が自身の成長に繋がり、将来の「自信に繋がる」のです。

卒業後の進路の選択肢を広げるため

日本は2019年8月現在もなお学歴社会が根付いており、大企業への就職率は難関大卒の割合が多くを占めています。また、それに伴い難関大卒の方が平均年収が高いという結果が出ています。

 

【就職偏差値】有名企業の採用実績大学一覧【学歴フィルター】

 

仮に既に希望の進路が決まっていたとしても、人生は長いですから、途中で新しくやりたいことが見つかるかもしれません。

 

もしそのやりたい仕事が学歴によって阻まれ夢潰えてしまったら、絶対後悔することを教えてあげてほしいのです。

 

と言っても教育熱心な方ならもう既にお伝えしているでしょう。

 

しかし子どもは先の分からないことにイメージが湧かないから俯瞰的な視点で大局観をもって解釈することが困難なのです。

 

そこで僕は、「買い物」に例えて学校の勉強に疑問を持つ子どもに「選択肢を広げること」を教えています。

 

zaki
zaki

不適切な表現かもしれませんが、この例えを聞いた子どもの99%が納得しています。(zaki調べ)

 

僕は学校の勉強に疑問を持つ子どもには

「知識や思考力(学歴)=所持金」

と伝えています。

 

金額はなるべく子どもの学年に合わせてイメージしやすい数字にしています。

 

例えば中学生の場合、

自分のやりたい仕事に就くためには最低でも「100万円(例:首都圏国立大理系卒)」分の思考力・知識量が必要であり、

 

このままでは所持金不足で「買いたいもの(就きたい仕事)」ができずやりたくない仕事を嫌々こなす生活を40年もしなければならない

 

と少々酷な内容ではありますがお伝えしています。

 

逆に「100万円(例:首都圏国立大理系卒)」分の思考力・知識量さえ持っておけば、「買いたいもの(就きたい仕事)」を選び放題な状態にすることができ、ものすごく贅沢な選択をすることができるのです。

 

zaki
zaki

ほしいゲームが選び放題の時の高揚感をイメージさせることがポイントです!

学年や年齢、性格に応じて使い分けてください。

 

「勉強内容」がそのまま役に立つのではなく、勉強を通して得た「選択肢の多さ」が将来の役に立つのです。

 

AIに代替されないための論理的思考を養うため

今後の日本社会はAI(人工知能)が暗躍していく時代になると考えられるので、AIに代替されない人材が企業が求める人材になります。

 

その人材は

【企業が求める人物像トップ3】

  1. 積極性
  2. 柔軟性
  3. 外向性

がある人材です。

 

昨今、日本経済の縮小や国際競争力の低下など、さまざまな課題を抱える企業では、与えられた仕事を遂行するだけでなく組織目標を達成するために何をやるべきかを、自ら考え実行できる積極性を求めていると考えられます。

 

採用担当者のホンネ-中途採用の実態調査 企業が求める人物像は?

 

中でもこの「積極性」は、性格も関わってくるところではありますが、組織目標を達成するために何をやるべきかを自ら考え実行するというところは「論理的に思考し行動する」と同値です。

 

つまり、

「論理的思考ができる人材」がこれからの日本で必要となる人材になるのです。

 

AIの進歩は人が想像するよりもはるかに早い成長を遂げています。

 

そのため、今ある職業のおよそ半数がAIに代替されるというデータが発表されています。

 

オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」

 

AIに取って代わって仕事を奪われないためにも、学校の勉強を通して論理的思考を鍛えているわけです。

 

「勉強内容」がそのまま役に立つのではなく、勉強を通して得た「知識や思考力」が将来の役に立つのです。

本当に学校の勉強は役に立たないのか

結論を申し上げると、
役に立つと考えています。
読者の方
読者の方
zakiさん、それはあなたが塾講師だからですよね?
zaki
zaki

……まあそれは多少ありますが(笑)

 

確かに僕のように、学生時に勉強した内容がそのまま仕事に直結するケースもありますが、多くは直結しないケースになるかと思います。
しかし、大切なのは、
今学んでいる「学習内容」ではないということです。
物事を表面的に捉えるのではなく、「なぜ学ぶのか」という本質的な解釈をすることが大切なのです。

まとめ

「勉強内容」がそのまま役に立つのではなく、学校の勉強を通して得た

  • 勉強する習慣
  • 自信に繋がる
  • 選択肢の多さ
  • 知識や思考力

が将来の役に立つのです。

 

zaki
zaki

いかがでしたか?

読者の方
読者の方
おかげで長年の疑問の明確な答えが分かったような気がします!
ありがとうございます。
また相談してもよろしいですか?
zaki
zaki

ありがとうございます!
いつでもお待ちしています!


この記事を書いた人
zaki/学習相談屋

指導暦:集団塾講師3年、個別指導塾講師2年、家庭教師2年
担当科目:中学数学、中学英語、高校数学、高校英語
実績:
1年で偏差値32→65まで伸ばし、進学校の特進コースに入学。高校で再度挫折し1年の浪人を経て偏差値44→60まで伸ばし、立命館大学理工学部に入学。大学在学中に塾講師のアルバイトを経験し、現在も塾講師として活動する傍ら、ブログを通じて成績不振のお子さまに悩む親御さん向けの情報を発信している。

教え子の実績
・半年で偏差値42→64
・1週間で定期テスト5科目240点→350点
・定期テスト苦手科目で満点

合格実績
・龍谷大学理工学部1名
・滋賀県立石山高校1名
・滋賀県立守山高校2名
・滋賀県立草津東高校2名
・洛南高校3名
・光泉高校Ⅲ類1名
・比叡山高校4名
・大谷高校5名

zaki/学習相談屋をフォローする

お問い合わせ

コメント

タイトルとURLをコピーしました